COLUMNコラム

【マイクロメータとは?】基本と使い方まとめ

マイクロメータとは、非常に小さな物体や寸法を高精度で測定するための工具です。

特に、工業分野や精密機器の製造現場で広く使用されています。

この記事では、マイクロメータの基本的な構造や使用方法、そしてどのような場面で役立つかについて解説します。

 

マイクロメータの基本構造

 

マイクロメータは、主に3つの部分から構成されています。

 

1.フレーム(U字型の部分)

 

フレームは、物体を固定して測定するためのしっかりとした支えです。

多くのマイクロメータは金属製で、頑丈な作りになっています。

 

2.スピンドルとアンビル(測定面)

 

スピンドルとアンビルは、測定対象を挟んで固定する役割を果たします。

スピンドルはねじ機構で前後に動き、アンビルは固定された部分です。

スピンドルが物体に接触することで寸法が測定されます。

 

3.スリーブとサムル(目盛りと調整部分)

 

スリーブには目盛りが刻まれており、サムルを回転させることでスピンドルが動きます。

この回転量によって、測定値が変わります。

マイクロメータの精度は、目盛りの細かさに依存します。

 

 

マイクロメータの使い方

 

 

マイクロメータの使用方法は簡単ですが、正確な測定を行うためには慎重さが求められます。

以下に基本的な手順を説明します。

 

1.物体をフレーム内に挟む

 

測定対象をフレームの間に置きます。

この際、スピンドルをサムルを回して前後させ、物体が軽く接触するまでスピンドルを動かします。

無理に力をかけないように注意が必要です。

 

2.スピンドルを微調整

 

サムルを慎重に回して、スピンドルを物体に密着させます。

この時、スピンドルと物体がちょうど触れるまで微調整を行います。

正しい測定を行うためには、スピンドルが物体に過度な力をかけないようにすることが重要です。

 

3.測定値を読み取る

 

スリーブに刻まれた目盛りとスピンドルの回転量を基に、寸法を読み取ります。

多くのマイクロメータは、0.01ミリメートル単位での精密な測定が可能です。

 

 

マイクロメータの種類

 

マイクロメータには、用途に応じてさまざまな種類があります。

以下に代表的なものをご紹介します。

 

1.外側マイクロメータ(外径測定用)

 

一般的に使われるのが外側マイクロメータです。

これは、物体の外径や厚みを測定するのに使用されます。

例えば、金属の棒やシートの厚みを測定する場合に便利です。

 

2.内側マイクロメータ(内径測定用)

 

内側マイクロメータは、円筒状の物体の内径を測定するための工具です。

例えば、パイプや円筒形部品の内径を測定する場合に使われます。

 

3.深さマイクロメータ

 

深さマイクロメータは、物体の深さを測定するための工具です。

穴の深さや段差の高さを正確に測定する際に役立ちます。

 

4.デジタルマイクロメータ

 

最近では、デジタル表示が可能なマイクロメータも普及しています。

これにより、測定値を視覚的に確認しやすくなり、誤差も減少します。

デジタルマイクロメータは、表示が0.001ミリメートル単位まで可能で、高精度な測定を行いたい場合におすすめです。

 

 

マイクロメータの用途

 

 

マイクロメータは、非常に精密な測定を行うことができるため、多くの業界で重宝されています。

以下に、具体的な用途をいくつかご紹介します。

 

1.機械加工業

 

金属部品の製造や加工において、寸法の精密な管理が求められます。

マイクロメータを使用することで、部品の厚さや直径を正確に測定し、品質を確保します。

 

2.自動車産業

 

自動車のエンジンやブレーキ部品など、非常に細かいパーツの寸法管理にもマイクロメータは使用されます。

これにより、パーツが適切に機能し、安全性を確保します。

 

3.航空宇宙産業

 

航空機や宇宙機器の製造には、極めて高い精度が求められます。

マイクロメータを使うことで、部品の寸法が厳密に管理され、信頼性の高い製品が作られます。

 

4.研究開発(R&D)

 

科学研究や新しい材料開発において、非常に微細な構造や寸法の測定が必要になることがあります。

マイクロメータを使用することで、ナノメートル単位の精度での測定が可能になります。

 

 

マイクロメータの注意点

 

マイクロメータを使う際には、いくつかのポイントに注意が必要です。

 

1.温度の影響

 

金属製のマイクロメータは、温度による膨張や収縮の影響を受けやすいです。

測定中は温度変化を避け、安定した環境で使用することが推奨されます。

 

2.力のかけ方

 

スピンドルを回して物体に接触させる際、過度な力をかけると測定が不正確になることがあります。

適切な力で操作することが大切です。

 

3.定期的な校正

 

精密な測定を行うためには、定期的にマイクロメータを校正し、正確性を維持する必要があります。

校正作業を怠ると、測定誤差が生じる可能性があります。

 

 

ものづくりの課題と平岡工業の解決策

 

マイクロメータに関する基本的な知識と使用方法についてご理解いただけたところで、実際のものづくりの現場では「精度の高い測定」はもちろん、複雑化する工程や多様なニーズに対応していくことが課題となるケースが多くあります。

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