【FSW(摩擦攪拌接合)とは?】接合技術の特徴とメリットまとめ
参照:ヤマザキマザック
FSW(Friction Stir Welding、摩擦攪拌接合)は革新的な溶接技術であり、金属を接合するための効率的な手法です。
この技術は1991年にTWI(ウェルディング研究所)によって開発されました。
FSWは伝統的な溶接方法とは異なり、材料を溶かすことなく摩擦熱と圧力を利用して接合します。
そのため、金属を溶接する際の欠点である溶融や気泡の生成を回避でき、高い強度と耐久性が期待できます。
FSW(摩擦攪拌接合)のメリット
参照:ヤマザキマザック
溶接より高い強度で歪みの少ない接合方法である、FSW(摩擦攪拌接合)には様々なメリットがあります。
接合部分の熱影響を抑えられる
FSWの最大のメリットは、溶接時に熱を加えることで材料を溶かすのではなく、摩擦熱と圧力を使って材料を結合するため、溶接部分が溶けたり酸化したりすることがありません。
このため、溶接部分の強度が非常に高く、溶接後の加工もしやすくなります。
異素材の接合ができる
FSWでは、異なる材質の接合もできます。
ただし、異材を接合する場合には、適切な特殊工具の形状と接合条件を洗い出す必要があります。
最適な接合条件を見つけるためには温度の測定が不可欠です。
快適な作業環境を用意できる
FSWの魅力として、騒音や粉塵の発生を低減できることが挙げられます。
溶接時に発生する溶融金属のスプラッター(飛び散り)
FSW(摩擦攪拌接合)の応用技術
FSWはアルミニウム合金などの軽量金属の溶接に特に有効であり
今後さらなる発展が期待され、軽量化と強度向上のニーズが高まっており、FSWは有力な技術として注目されています。
また、金属材料だけでなく、プラスチックや複合材料などへの応用も研究されています。
特に自動車業界では、アルミニウムのほかに高強度の鉄鋼材料(ハイテン)やマグネシウム、樹脂などの複数の材料を用いた車体を想定し、異種材料の組み合わせが可能な接合方法が必要です。
さらに、ロボAI技術と組み合わせ、FSWの自動化や効率化が進められることで、製造業全体の生産性向上も期待できます。
FSWは次世代の接合技術として、今後の製造技術の発展に大きく貢献することが期待されています。