COLUMNコラム

【金属材料とは?】鉄鋼素材と非鉄金属素材の性質と特徴

金属加工の現場ではさまざまな「金属材料」が使われます。

金属材料にはそれぞれ特性があり、材料の選定は製品の仕様やコストによって決められます。

加工方法に合わせた材料選びも重要になってくるので、今回は材料の性質や特徴、使われ方について解説していきます。

 

金属加工現場で使われる材料の種類

 

金属材料に使われる素材は、大きく「鉄鋼」と「非鉄金属」に分けられます。

製品や加工目的によって、さまざまな素材が使い分けられています。

金属材料鉄鋼炭素鋼
SPCC(冷間圧延鋼板)
SS材(一般構造用圧延鋼材)
SC材(機械構造用炭素鋼鋼材)
SK材(炭素工具鋼鋼材)
合金鋼
鋳鉄
非鉄金属
ステンレス
チタン
マグネシウム
インコネル
非金属材料プラスチック
セラミックス
ゴム
ガラス

 

鉄鋼の種類と特徴

 

鉄鋼素材の性質や特徴、使われ方について解説していきます。

 

炭素鋼(鋼はがね)

炭素鋼は鉄に0.02%~2%の炭素を含んだ金属で、一般的に鋼(はがね)と呼ばれます。

熱処理によって性質を大きく変えることができるため、幅広い用途で使われています。

 

SPCC(冷間圧延鋼板)

SPCCは、板金などで使われる板状の金属材料です。

低コストで加工性が良いため、自動車や家電などの一般的な部品材料として広く利用されています。

 

SS材(一般構造用圧延鋼材)

SS材は、ビルや橋などの建築・土木で使われる「構造用」の金属材料です。

じん性(ねばり強さ)があり、コストパフォーマンスも高いため、船舶などの大きな構造物にも利用されます。

SS400など、SSの後ろに「引張り強度」をつけて表します。

 

SC材(機械構造用炭素鋼鋼材)

SC材は、歯車や軸部品など「機械部品」の素材として使われる金属材料です。

加工性が良く、焼入れもできるため、強度が必要とされる産業用部品として広く利用されています。

S45C・S55C など、SとCのあいだに「含まれる炭素量」をつけて表します。

 

SK材(炭素工具鋼鋼材)

SK材はドリルやハンドツールなど、工具の素材として使われる金属材料です。

硬さと耐摩耗性に優れているのが特徴です。

 

合金鋼

合金鋼は「炭素鋼」をベースに、さまざまな金属を加えた金属材料です。

クロムやモリブデンなどさまざまな元素を加えることで、もとの金属よりも強度や機械的性能を高めることができます。

 

鋳鉄(ちゅうてつ)

鋳鉄(ちゅうてつ)は、主に鋳造で使われる金属材料です。

炭素を多く含むため、融点が低く、鋳型のすみずみまで金属を流し込むことができます。

高い強度が求められる、自動車部品やマンホール・水道管などに利用されています。

 

非鉄金属の種類と特徴

 

金属材料に分類される、非鉄金属素材の性質や特徴、使われ方について解説していきます。

 

アルミニウム

アルミニウムは、金属材料のなかでも軽い金属材料です。

柔らかく加工しやすいため、アルミ缶やサッシなどの日用品にも多く利用されています。

 

銅は、精錬が簡単なため、古くは青銅器や農具などに使われています。

工業用途では、加工性・耐食性・熱伝導性・抗菌性に優れ、医療や船舶、電子部品などの分野で多く使われています。

 

ステンレス(SUS)

ステンレスは炭素鋼をベースに、クロム・ニッケルなどを混ぜた合金で、耐食性・保温性が高くサビにくいのが特徴です。

機械部品をはじめ、建材から家電・日用品まで、さまざまな用途で使われています。

 

チタン

チタンは、強度・軽さともに優れた金属材料です。

耐食性・耐熱性にも優れるため、自動車エンジン部品や航空機部品などで広く使われています。

 

マグネシウム

マグネシウムは、金属のなかでも最も比重の高い金属材料です。

軽量かつ強度であることから、自動車のフレームやノートパソコン・デジカメなど、幅広い分野でニーズが高まっている素材のひとつです。

 

インコネル(ニッケル合金)

インコネルは、ニッケルに炭素・鉄・クロムなどを混ぜたニッケル合金です。

耐熱性・耐食性に優れ、高温下で長期間耐える強度をもつため、高級車やF1レーシングカーなどのマフラー素材としても使われています。

 

金属材料の「快削材」と「難削材」

 

 

金属材料には、加工効率を向上させた「快削材」や、強度が高いため切削しにくい「難削材」などの材料があります。

 

加工しやすい金属材料「快削材」とは?

快削材は、硫黄・リンなどの添加物や熱処理によって切削しやすくした金属材料です。

切削効率が良く、工具の寿命も長くなるため、NC工作機械の自動加工にも向いています。

 

加工しづらい金属材料「難削材」とは?

難削材は、「ステンレス鋼」「インコネル」「チタン」などの切削しにくい金属材料です。

これらの金属は強度があり、耐熱性も高いため、航空宇宙の部品などに多く使用されています。

 

金属材料における鉄鋼素材と非鉄金属素材まとめ

金属加工の現場で使われている金属材料について解説しました。

材料と加工方法の組み合わせによっては、品質にバラつきがあり、製品不良の原因になることもあるため、加工方法にあわせた材料選びも重要です。

また、難削材の加工も大きなテーマとなっています。

弊社では、お客様の製品の加工方法にあわせた材料選びを提供しております。

ぜひ一度、弊社までご相談ください。

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