【穴あけ加工とは?】穴あけ加工の種類と特徴
金属加工現場のお困りごとを解決!
今回は、穴あけ加工の種類、方法、特徴について解説していきます。
穴あけ加工とは?
工業製品の製造現場において、穴あけ加工は非常に重要な工程です。
部品の組み立てや取り付け、通気口や配線など、一つの製品を完成させるために穴あけ加工はなくてはならないものと言えます。
穴あけ加工は、いくつかの種類に分けることができ、以下の5種類が挙げられます。
・浅穴・・・ドリル直径の3倍以下の長さの穴加工
・深穴・・・ドリル直径の10倍を超える穴加工
・カウンタボーリング・・・空いている穴を大きくする加工
・トレパニング・・・大径の穴加工に用いられており、円筒状に切削をする
・ソリッドドリリング・・・未加工の材料に穴をあける加工方法
それぞれ、必要に応じて使い分けが必要になってきます。
穴あけの加工方法としては、以下の3つに分けられます。
・『手動での加工』
・『機械を使用した加工』
・『CNC(コンピューター数値制御)での加工』
手動で穴あけを行うことは難易度も高く、現場では少ないかもしれません。
今回は、機械を使用した加工についてご紹介します。
卓上ボール盤での穴あけ加工
卓上ボール盤とは、本体の主軸部分にドリルを取り付け、金属や木材に穴開けをする専用の工作機械のことです。
材料を固定し、ドリルの刃を上下に動かすことによって穴をあけます。
ひとくちに卓上ボール盤といっても、プロが工場で使用する本格的なものから、DIYにも使用できる小型のものまでいろいろな種類があります。
卓上ボール盤は、まず材料を台座にしっかりと固定することから始まります。
クランプやバイスを使用して動かないように固定し、どのドリルが適切か、図面を確認して選びます。
回転数の調節はベルトの掛け替えにより行います。
ドリルのサイズや穴あけ対象材によって、回転数を変えて使用します。
卓上ボール盤の大きな特徴は、以下の通りです。
・素早い穴あけ加工ができる
・材料を固定しているためブレにくい
・手動と違い正確な穴あけ加工ができる
卓上ボール盤は一定の深さで穴を開けることができます。
そのため、精密な作業が求められる場面や、複数の穴を一貫してあける際に重宝されます。
コンピューター数値制御での穴あけとは?
CNC(コンピューター数値制御)加工は、コンピュータプログラムによって機械を制御し、材料を削る加工方法です。
精密な作業が得意であり、穴あけにも威力を発揮します。
手順としては、上記で紹介した卓上ボール盤での加工よりも複雑です。
まず、CNC加工のプログラムを作成する必要があります。CADソフトウェアを使って設計し、CNC用のプログラムに変換します。
CNC機械には、材料の種類や刃具の種類によって設定を細かく変えなければなりません。これにより、最適な加工条件を得ることができるのです。
CNC加工は、コンピュータプログラムによって制御されるため、非常に高い精度で作業が行えます。
同じプログラムを使って何度も同じ作業を繰り返すことができるのも特徴です。
・より精密で複雑な加工か可能
・大量生産にも対応可能で効率的な作業ができる
・人的ミスが少なく品質の一貫性が保たれる
・多種多様な材料に適応できる
まとめ
穴あけ加工は製造業界において欠かせない工程であり、正確な穴あけは製品の品質を左右します。
製品によっては、どのような工程で穴あけをしているのか疑問に思うほど複雑な製品も多々あります。
精度がしっかりと反映されるので、大事にしたい工程です。