ものづくりで活用できるリバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングとは?
リバースエンジニアリングとは、既存製品の分解や解析をし、その構造や構成要素などを明らかにすることです。
通常の設計では、図面や設計情報を作成し、それを元に製品を作ります。しかし、リバースエンジニアリングは、その工程とは逆であるため、逆という意味を持つ「リバース」という単語が使われています。
例えば、3次元測定機を使った計測によって、製品の構造や構成要素を分析し、それを新たな製品製造に活かします。
特に、曲面が連続するモデルは、リバースエンジニアリングが役立つ製品の一つです。
リバースエンジニアリングのメリットをご紹介
リバースエンジニアリングのメリットは、以下の4つです。
リバースエンジニアリングの特徴は、設計書が必要ないことです。
なぜなら、既存製品の分解や解析を行うことで、製品の設計が明らかになるためです。
そのため、製品の設計図や仕様書などが残っていない場合でも製造ができます。
代替え品を探す時間や手間も省け、データ化することにより今後の備えにもつながります。
通常の製品開発では、多くの試行錯誤を必要とします。
しかし、リバースエンジニアリングの場合は、既存製品の設計構造を活用できるため、遠回りする可能性が低いです。
そのため、開発にかかる金銭的・時間的コスト削減が期待できます。
既存製品を解析することで、製品に存在する課題が見えてきます。
そのため、その課題を解決できる製品の製造が可能となり、結果的に製品の質の向上が期待できます。
合わせて、製品の販売状況や消費者の反応も調べることで、より市場価値の高い製品づくりが可能となります。
リバースエンジニアリングでは、測定結果を3Dモデル化することもできます。
そうすることで、高い技術を持つ職人の技術を盛り込んだ完成形状のデータ化が可能です。
このようなメリットは、人手不足に陥っている金型や航空機部品などの製造現場で活用できます。
リバースエンジニアリングを活用する方法
リバースエンジニアリングの方法は、以下の4つです。
CTスキャンとは、「高精度X線」を使って対象物の内部状態を撮影することです。
CTスキャンのメリットは、製品を分解する必要がないことと、従来の測定器では測定が難しかった内部構造の把握ができることです。
CTスキャンは、医療機器や標本のデジタル化などに活用されます。
CMMマシンとは、「三次元測定器」のことです。
三次元測定では、X・Y・Zの3つの座標軸を用い、対象物の形状や寸法を測定します。
CMMマシンのメリットは、対象物のサイズや材質を問わないことです。
3Dスキャナーとは、対象物をスキャンして3Dデータとして取り込む機械です。
3Dスキャナのメリットは、設計書がなくても製品の「CADデータ」を起こせることです。
CAD化用リバースソフトとは、測定データで取得した点群データをCADサーフェイスへ変換するソフトのことです。
また、設計CADと測定対象物を比較し、差異分のみをリバースするハイブリッドモデリングなどもあげられます。
まとめ
製造業におけるリバースエンジニアリングとは、既存製品から構造や仕様などの情報を得ることを指します。
リバースエンジニアリングの目的は、既存製品の構造を参考にし、図面のない製品を3Dデータ化や図面化して、再び生産することです。
平岡工業では、既存の製品や部品などの形状を3D測定し、お客様の使用用途に合わせた形式に3Dモデリングを行うリバースエンジニアリングを提供しております。
リバースエンジニアリングをご検討中の方は、是非一度、弊社までご相談ください。